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| 〜催眠状態はこころの安定と集中の状態〜 催眠状態とは、心理的には暗示の反応しやすくなった状態ですが、生理的には、心と自律神経とホルモンの調和のとれた、一番安定した状態です。 蛇や蛙や昆虫が、寒い冬の間、飲まず食わず、体も動かさないで「冬眠」するのと同じように、人間も冬眠のような休息が必要です。ことに複雑な人間関係の中で、神経を使いすぎ、ストレス過剰のために緊張と不安にさいなまされる現代人にとっては、心身の安息が必要なのです。 そのために、「安定剤」という名の薬が発見されました。そして、"ウィンターミン"と名付けられました。ウィンターは「冬」、ミンは「眠」と考えてもいいのですが、実はラテン語で「ビタミン」の「ミン」と同じように「薬剤」という意味です。このウィンターミンを主軸にして、現代人のマスコットともいうべき「安定剤」が生まれたのです。 今では「安定剤」のことをトランキライザーといいますが、「トランスを招く薬」という意味です。「トランス」とは、心や体の安定した状態で、催眠状態のこともトランスといいます。 長寿者の口から異口同音に飛び出す長生きの秘訣は、「くよくよしないこと」「気を使わないこと」ということです。このように、心の安定(トランス)が人間の生命にとっていかに大切であるかがわかります。 ところで、薬の使い方を誤ると、副作用や中毒が現れる危険があります。しかし、リラックスと集中の催眠によって得られるトランス(安定)にはその危険がありません。 昔から、悟りに達する方法として、座禅が尊ばれて来ましたが、禅も催眠もトランスに入るという点においては一致しています。 しかし、同じ精神統一でも、禅で言う「無念無想の境地」は、至難の業です。 ところが、催眠に必要な精神統一は、「一心無心」という低位の精神統一で、誰でもできることです。一つのことに耳を傾け、他のことに無関心になる「一心無心」の状態は、日常誰でも経験していることなのです。 例えば、釣糸を垂れてじっと浮きを眺めている時とか、好きな音楽の調べに聴き浸って我を忘れてしまうことは、誰でも手軽に入れる精神の集中状態です。他人から催眠に導いてもらうときには、その人の言葉に耳を傾け、心を注いで素直に受け入れていれば、いつのまにか「一心無心」になり、トランスに入っていきます。 また、自分で自分を催眠に導く場合には、自分の呼吸や自分の暗示の言葉に心の耳を傾け、心を注いで素直にそれに従っていれば、いつの間にかトランスに入っていきます。 |