【残酷な漫画が流行る訳】
先日、日経ビジネスから「なぜ紙媒体が不況な折、漫画だけは好調な売り上げを継続し、特に残酷な描写のあるもの程売れる傾向にあるのは、今の社会の闇の部分を映し出しているのではないか。その辺りを専門家として分析して欲しい」との依頼があり、その取材の様子が12/11の日経ビジネスオンラインに掲載されました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141210/274992/
「闇」と言うと、あまり好まれない、ともすれば排除すべきもののイメージがつきまとうのですが、実際に臨床に携わってみると、現代のインターネットやバーチャルな思考、イメージ優先の世界に浸っていると、リアリティに代表される生々しい実感の欠如が様々な問題の元になることが多いように思われて来ます。それを補う為の、残酷さ、生々しさと考えると、一概にいけないこと、忌み嫌うべきものとしてはいけないような気がして来る訳です。自然にあるものを排除しようと切り離せば、それに伴う渇望もまた生まれて来る…それが自明の理なのかも知れません。
物事を良い悪いだけではない視点で観る心…これからの時代には特に大切なことのように思われます。